melancholy youth

since 2016.6

5/11


青山吉能バーステーライブ "c'est nickel!"、参加してきました。まさか2年連続で来ることになるなんて。前回からもう1年なんだなという時間の早さを感じながらバスで都内まで向かっていた。




ビル風が強く吹き荒れる中横浜駅から歩いて20分少々、ランドマークタワーお膝元のランドマークプラザに到着。入場前に沿って並んでいたところホール前のエレベーターにてそこにたまたま居合わせたであろう家族連れから「誰だろ...? あ、ウマ娘の人なんだ?」というような会話が聞こえてきた。
開場してサッとドリンクを交換して席に向かう。前回は左側の席だったが今回は両部共に右側の位置。サッサと飲み切って開演を待つ。

入場時のBGMは以下。今回は懐かしの歌謡曲やポップス...ではなくよっぴー出演作のOP/EDを中心としたものだった。こちらは1部2部共に変化は無し。

花たん / First Greeting
ChouCho / Green jade
MA55IVE THE RAMPAGE / Wild Boy
ハチワレ / ひとりごつ
SMILE PRINCESS / fake merry game
ポケモン / RVR~ライジンボルテッカーズラップ~ (ドットVer.)
シャンテ / Starry Hope
須田景凪 / メロウ (こちら1部では流れていなかったと思う)
樋口楓 / Bravery? Naturally?
Saucy Dog / poi

"ひとりごつ"が流れ始めた瞬間吹き出してしまったことも記しておく。いやだって唐突に流れてきたら笑うでしょそれは...。



恒例の本人アナウンスがあり、開演。冒頭のコーラスが聴こえ少しの間の後始まったのは"空飛ぶペンギン"。青山吉能名義でリリースされた楽曲群の中で特にお気に入りのこの楽曲、どのタイミングで組み込まれるのか、そもそもセットリストに含まれているのか等思案していたがまさかの初っ端で驚きと共に喜びが湧き上がってきた。相変わらず他の声優の方の楽曲に疎いので定かでは無いのだが、この質感のバンドサウンドを取り入れた楽曲を歌っている人をそこまで見かけたことがなかった、そして自分が良いと思っている方がそのような楽曲を歌ってくれているということにとても嬉しくなった。

流れるように"Mandala"へ。途中のシンセソロは1部と2部で弾いてるフレーズが若干変化していた気がする。そして"Page"で足取りも軽やかに駆け上がっていく。

想像以上に重たさを増してしまった、と後のMCで語る"ツギハギ"、雨音のサンプリングから続く"あやめ色の夏に"とアルバムの楽曲が続く。
こぼればな(し)ツアーでやらなかったと語る"ツギハギ"は確かに前回のバースデーライブよりも歌い上げ具合がえげつなく、特にCメロ部分の感情の起伏が凄まじいことになっていたように思う。楽曲の"サスペンス感"、というのをアルバムを一聴した頃から感じてはいたのだけど、よりそういったメロドラマのエンディングにぴったりな空気が漂うものだった。
続く"あやめ色の夏に"もそうだが、やはり最先端の音楽よりもなんとなく歌謡曲や90~00年代前半のポップスの様相を感じさせるものがある。よぴが出演した過去のイベントでカバー曲によるカラオケの企画があり、その際も他の出演者に比べて往年のチョイスなカバーを披露していたが、その後のカバーコーナーでもその片鱗を見せることとなる。

今回は知ってる人いないかも...との談で始まったのは久保田早紀さんの"異邦人"。親しか喜ばないと思うとの談。

また知ってる人居ないかなあ...と言いながら始めたのはキリンジの"エイリアンズ"。

僕個人としてはどちらも薄らと聞いた記憶はあってなんとなーく知ってはいたのだが、「知ってる人居ました?」とよっぴーが客席に聞いた際にそれなりの数の手が上がっていて、「なんだ、みんな知ってるんじゃん!」と安堵されていた。僕は年齢的にはほぼ同年代なのだが、中高の時期に歌番組が多数やっていた記憶があり、同じように観ていてそういう音楽に触れていたのかななんて想像を膨らませてしまう。

「打ち合わせで、何か楽しいことがしたい、とおっしゃっていたのでこんなものを用意しました。」とスタッフからのメッセージから始まったのはミッションのコーナー。封筒に記載された問題に答えていくもので両部ともに3問ずつ準備されていたが、1部ではほぼ(?)全問正解で、2部では泣きの一回を挟みつつ全問正解していた。よっぴー自身が考えた質問を客席側に問い掛ける部分もあり、九州出身の人、ここ3年でスキー経験がある人というような問いにマルバツ方式で答えるものだった。

ここからは特別バージョンで披露します、と始まったのは"My Tale"。何と"moshi moshi"を途中にサンプリングしたマッシュアップリミックス版。テンポの変化やバンド編成で同期と共に演奏されるソレは破綻しないようにギリギリのラインを攻めるアプローチに仕上がっていたと思う。

ジャジーなテンポでこちらも軽やかに進む"Sweetly Lullaby"。みんなまだまだ盛り上がれますか?と座りから立ちへ変わり"STEP&CLAP"。クラップももう慣れたものという感じで手拍子する一同。ライブ映えする楽曲に彩りを増していく。そして本編ラストは最新曲"Flowery"。丁寧に紡ぐスロウテンポの楽曲で締められる。


暫くの間の後始まったアンコールは"Sunday"。最初のコーラスが終わると会場のどよめきが。ふと左側に視線を送るとなんと客席に降りてきたよっぴーの姿。そこからの練り歩きながらの歌唱で文字通り近くに感じることが出来る演出でとても嬉しくなってしまった。

「こうやって皆さんに知ってもらえてライブにも来てもらえて、そういう中で現状維持で続けていければ...と思っていたんですけど、それでもよく知らない人にももっとちゃんと知ってほしいなと思って一歩踏み出すことにしました。」と伝えられたのは2ndアルバム制作の報。2部ではこれ以外にも会員限定のファンミーティングの開催や、今回のライブ映像がアルバムの特典になる...かも?というような情報も解禁されていた。

そして最後は"透明人間"。自分自身を投影する楽曲を力強く込めて歌い上げライブが終了。




2部。基本的なセットリストの変更は無し。カバー曲コーナーのみ別の楽曲に変更されていて、最初は日食なつこの"ログマロープ"。

M-1きっかけでお笑いにもより興味を抱くようになったというよっぴーが関連の映像きっかけで知った楽曲だという。

1部はギター、2部はピアノをテーマに選曲したというカバー曲。2曲目はピアノとよっぴーのみのアレンジによる手嶌葵の"明日への手紙"。丁寧に歌い上げていたように思う。


ミッションの最後にケーキが出てくる、というものだったが2部では出てこずまた別の封筒が準備されていた。中を開けるとなんと旅行券5万円分が。"出不精なんだからどっか出かけなさい"というバンドメンバーとスタッフからのプレゼント。家族を連れて北海道でも行こうかな...なんて言っていた。

MC部分ないしは起こった出来事の印象的だった部分も幾つかメモ程度に抜粋しておく。
1部のミッション2つ目のやらかしちゃったななエピソードを披露した際ドラマーの方から1発でオッケーが出てドラムで反応を返されていたのだが、「もしダメだったらどんな感じだったんですか?」に対して、ライドシンバルのカップの部分で"カン"、と1音だけ鳴らしていたのがヤケに面白かった。

2部で"ツギハギ"、"あやめ色の夏に"を歌い終えた後の、「やっぱり重たくなっちゃった...。」の言い回し。1部で「こんな重たくなるつもりなかったのにね。」の返しに「何かあったんじゃないかって思ったよ。」と木原さん。

1部で「伝えなきゃいけないことがあって...なんと...運転免許を取得しました!!」からの動き。「もう何度か運転してます。そういえば結束バンドの4人でも運転しました。これはしじみ、締めラジ、ぼっちざらじおそれぞれでも今後言っていくと思うのでね。でもこの場で言いたくて温めてたことだったので...!」

"Sunday"で客席降りしたことで、「後ろまでちゃんと見えてるから、ってことをちゃんと証明出来たね」

メンバーの木原さんに対するイジり(イジられ?)具合。



前回も思ったけれどライブというよりコンサート感の強いイベントだなと思った。勿論内容にはファン向けの部分も強く出ているとは思うのだけど、テンションぶち上げのような楽曲が存在するわけではなく、聴かせる部分が多いことや基本座りでの鑑賞であるということがその印象を濃くしている気がする。練り歩きをしたことでディナーショーっぽさも感じなくもなかったけど。また今回これまで大切に育まれてきたであろう"たび"や、WUG時代の楽曲である"解放区"、"わたしの樹"といった楽曲が外されていたことが、これからの歩みを見据えてのことなのかたまたまなのかは分からないが、意外だなと思っていた。

今後もイベントに行けるかは分からないが、これからの動きも楽しみなところ。アルバム気長にお待ちしています。





3度目のバースデーライブはサプライズと笑顔に満ちたステージ! 「青山吉能 Birthday LIVE 『C’est nickel!』」(1部)レポート - れポたま!
「この瞬間」にしか生まれない表現を、堪能できた空間――”青山吉能 Birthday LIVE「C’est nickel!」”レポート – リスアニ! – アニソン・アニメ音楽のポータルサイト



余談も余談だがよぴ出演作である"治癒魔法~"のOPであったwaterweedの新作アルバムが同じ週にリリースされていて、それを聴きながら横浜まで向かっていた。個人的には10年以上前から知っているバンドでありながらも近年はそこまで音源を聴くことは無かったのだが、嘗て以上に哀愁を纏わせたメロディックハードコアに思わず今作渋いな...と唸ってしまった。好き好んで聴くということは減ってしまっているが元々メロコアにもルーツがあったので久しぶりにこんな感覚になれた気がする。キングダムの主題歌も収録されているので未聴の皆さんは聴いたらいいと思う。



(またも余談。向かってくる道中でla valigiaをシャッフル再生で聴いていたのだが、関連で流れてきた楽曲でふと気になってしまったこちら。Aメロのdowntの富樫さんのような掠れた声と、楽曲のアレンジ具合とギターのフレージングにcinema staffの三島さんが手掛けているのかと思ってしまった。実際のところ手掛けたのはステファブ(Stereo Fabrication of Youth)の江口さんで、楽器隊のレコーディングにはヒトリエのメンバーが参加しているらしい。最初に感じたものと親和性は高いメンツのようで何だか納得してしまった。)