
今回はこちらにやってきました。MyGO!!!!!とAve Mujicaの2マン、"moment / memory"。タイトルは死からは逃れられないという意味合いのmemento moriの語呂合わせなんでしょうか。どちらかと言えば"運命"から逃れられないの方かも。
初めて観ることになったバンドリシリーズのライブ。普段ソシャゲはやらないし、アニメを大分後追いで観つつ、楽曲を聴いていただけの身ながらも、そろそろ観ておきたいよな、という軽い行動理念ながら漸く観れることに。昨年の同じくMyGO!!!!!とAve Mujicaによる2マンを見逃してしまった後悔を引き摺っていただけに再度この2組が相見えるというのがとても有難い。いやそのストーリーを追っていればそれは必然なことなのかもしれませんが。
以下ネタバレ要素含みます。ご留意を。
最初はmillsage、一家Dumb Rockという新ユニット2組によるオープニングアクトパート。millsageは所謂残響系の延長線上にあるようなサウンド。こういうタイプのバンドもバンドリに居るんだ…という驚きがあった。
一家Dumb Rockは所謂ミクスチャーサウンドの楽曲。2人の掛け合いが印象的で陽のオーラを放ちまくる。
それぞれが1曲ずつ披露し退場。
そしてカウントダウンの後、出てくる振り子の映像に合わせ祥子、燈による語りのパートが。お互いの意識、認識をそれぞれの視点で話し始める。
1組目はAve Mujica。演奏が始まると最初は影越しにメンバーが映し出され、途中から幕が開きメンバーが登場。最初の"Choir 's' Choir"から一気にその世界へ誘う。これがAve Mujicaか……。
ベースプレイとそのアニメーション(海鈴さんの腰付き…)が印象的だった"顔"へ。実際聴かせるようなベースラインと重くも跳ねるようなリズム感が地を這うようにこちらを狙う。にしてもアプローチとして舌打ちを入れ、独特な節回しと言葉のチョイス、そして「とかなんとか言っちゃってさ」ってフレーズでブレイクダウンするなんて何処で思いつくんだろうと思ってしまう。
"黒のバースデイ"、"Synbol IV: Earth"へと続く。シンフォニックなアレンジからdjent/プログレまでテクニカルに展開し、しかし何処かキャッチーにすら聴かせるサウンドに目が回る。本当にこれはなんなんだ、既にその術中に嵌りながらただ頭を振ることしか出来なかった。
更にその世界は"Mas?uerade Rhapsody Re?uest"へ続く。北欧のメロデス聴いてるのかなんて錯覚する程のサウンドから"八芒星ダンス"へと移行。踊らされてるのは彼女らかはたまた此方か。蝕まれるのも悪くない。更にサーカス隊の様相と妖艶な空気が包み込む"Synbol II: Air"へ。
ここからは重戦車が戦場を駆け巡るかのように"DIVINE"が襲い掛かる。アグレッシブに攻め立てていく。その警鐘を鳴らしたままに"'S/' The Way"へ流れ込みこちらを逃さない。竿を抱える3人が並んで弾く様は圧巻だった。こうなったら止まらない、イントロカットの"KiLLKiSS"へ更に進行する。タフに、印象的なフレーズを残すサビのパンチライン。
更なる鞭を打たせにかかると"Sophie"へ。サディスティックに、マゾヒスティックに、その赤は燃えていく。喚き声が悲痛に響き渡る。怒涛に次ぐ怒涛のラスト、"Synbol I: △"で終末を迎える。救いは無く、淵まで堕ち続ける。
最初から徹頭徹尾MCなどなく、ステージ上は正にAve Mujicaという舞台を上演するかのようにその楽曲を粛々と演奏していく。
カメラ越しに映されるメンバーがニヤリと笑い、キメ顔でパフォーマンスを続ける。楽曲の重さと相反するようにゴシックトーンの可愛らしさを演出する。
初華 aka 初音の佐々木さんは元々アーティストとしても活動していただけあり、その声の伸び、表現力の高さ、そして自身の魅せ方というものをあまりにも熟知されていて、そのステージに"ドロリス"を顕現させる。
作中で描かれるパフォーマンスとはまた一味違うというのは勿論他のメンバーもで、特にオブリビニオス、祥子役の高尾さんの2つのキーボード捌き、逆手で弾き切る姿等アニメーションでは表現されなかった新たな姿をこちらに見せつける。
にしても、楽曲を聴いた時から思っていたことだが女性声優の皆様にシンフォニック/メタルコアを演奏させよう、という企画を打ち出した人はどういうつもりだったんだろう…と思ってしまう。良い意味で頭がおかしいというか、これが成り立つビジョンが見えていたのだろうか。しかし、結果としてこういったステージを魅せられてしまうとこちらは白旗を挙げざるを得ない。途轍もないものを俺は、僕達は眼前にしている。
勿論キャラクター性やアニメ/コンテンツ中の1バンドとはいえ、メタルを軸としたものでこれだけ支持を得てるのも凄い気がする。
もうここまで来ると誰がやってるだとかそういう穿った見方など出来るはずもなく、もうAve Mujicaというメタルを介した総合芸術を鑑賞するほかないのだという気持ちになる。
個人的に聴いていてDead by Aprilとかを併せて聴きたくなるなと思ったりする。
2組目はMyGO!!!!!。例により淡々と語る燈のポエトリーディングから幕を明け、冒頭を飾るは"回層浮"。ちょうどリリースされたあたりでインフルーエンス、というかサウンドが近いと言われていたLa Disputeの来日公演があったり (この記事やこの記事を参照)と、個人的に興味を持ち始めたのがこの楽曲。まさか最初にこれを聴けるとは…と感慨に耽る。アベムジもそうだが本当に演奏して語り、歌っている…。
続くは"無路矢"。聴いていた時から思っていたもののanon tokyoさん声高え…等と思いながら噛み締めていた。
"端程山"。メロディアスなフレーズがキャッチーに青く響く。ここら辺で段々と自分の視界が滲んでいくようにほろほろと涙が…じんわりと自分の中に響いていく。改めるでもなく、良い曲だな…。
ここで唯一の全員MCパート。
「初めまして、ボーカルの、燈です。」「ギターの、あのんで〜す。」「ギター、楽奈。」「ベース担当、そよです。」「ドラムの、立希です。宜しくお願いします。」
一言の自己紹介だけ、でも、でもそこに、それだけでMyGO!!!!!が存在しているのが伝わってきて思わず口を覆ってしまう。やめてくれ、もうこれ以上感情を動かしたくない。もっと泣いてしまうだろ。
アニメだけ観ていたから、もっと強い感情を持った人たちが集まってるんだろうとは思うけど、それでも自分の中にも少しずつ芽生えていたソレがここで発芽した気がした。
続くは"掌心正銘"。前曲を引き継ぐような青さと熱がこちらに届けられる。
その熱量は止まらず"迷星叫"へ。バンドのテーマでもある迷いながらも進んでいくその推進力。伝えてくるその感情を受け止めるのに必死になる。
個人的にレッチリを彷彿とさせられる"夜隠染"。どうやらあまりライブでやってないらしい。ミドルテンポでCメロからラストサビにかけての転調が印象的。
"孤壊牢"。イントロと以降の展開の落差がインパクトを生みサビで戻って来るバチバチな感触。
更に盛り上がる"影色舞"。所謂4つ打ちのお祭りビートは初聴時こそ敬遠気味だった此方すらも関係無くテンションを上げさせていく。
スパートを駆けるように"壱雫空"。2サビのアルペジオでギュギュッと掴まれた後に一気に爆発する展開はキッズだったあの感情を再燃させられてしまう。心の中はステダイ/モッシュ祭りだった。
BPMは更に上がり"歌いましょう鳴らしましょう"へ。もう十分過ぎる程の熱が火花を散らしてバーストしまくる。火傷してしまうんですが。
続くは"砂寸奏"。ワンオクライクなスクリーモ感のある楽曲で、ギアを1段上げる。
そして最後は"往欄印"。渋いメロディアスなフレーズが熱量と共に襲いかかる。IKKI NOT DEADのバンドかよ。MyGO!!!!!にとって大切な楽曲が何曲かあるとは思うが、Cメロのポエトリーディングは焚音打に続くようなバンドの行先を憂いではなく自足で突き進むから、付いてきてほしいとバンド、そしてこちらに問い掛け手を差し伸べてくるかのよう。
メンバー同士が時折目を見合わせながら息を合わせるように演奏をする。その時の表情がキラキラと輝いていて、ああ、乗り越えてきたんだなと。
その楽曲に感情を乗せ、熱量たっぷりに発散していく様。丁寧に、しかし枯れる程声を上げる燈のボーカル。それを助けるようにコーラスを重ね演奏を続ける4人。キャッチーな部分やポップさもあるけど、その楽曲の熱さは確かにメロディックハードコアで、時に感じる刹那は完全にエモのそれと同等のもの。
アニメや2次元コンテンツに於けるものとして、何処かでこういった音楽を望んでいた自分が居たような気がするし、実際に目の前でMyGO!!!!!が演奏している姿を観て、なんと素晴らしいことかと。
燈役の羊宮さんはどうやら調子が良くなかったらしいのだが(確かに高音が少し出づらそうな気はしたものの)、じゃあ完全体になったMyGO!!!!!はどうなってしまうんだ…? またそれを観に行くしかないじゃないか。また絶対観に行きます。
ライブ後は再度2人の語りへ。淡々とした独白のように、しかし互いに意識的なまま、それでもそれぞれの道を歩む二組。遠くて近いその距離を測るように振り子は揺れ続ける。
銀テープが発射されライブは終了。アンコールは無し。代わりに様々な情報がスクリーン越しに公開されていく。
あっという間の2時間半、それぞれ12曲ずつのライブとなった。自分が聴いてきた音楽の性質上、やはりMyGO!!!!!に傾倒してしまうが、Ave Mujicaのあのステージングを観てしまうと唸らざるを得ないし、とんでもないなと思う。
にしてももう少しずつ聞きたかったなという気持ちが無かったわけではなく…。"天球のMújica"の展開のエモーショナルを体感したかったし、"音一会"や"詩超絆"で感情大爆発したかったところではあるのだが、そういった聴きたかったものを観に行く導線として、それぞれの今年の単独公演やツアーがあるのだと思う。マーケティングが上手すぎる。実際都合付けて観に行きたいもの。やってくれるかは別だが。
良いものを観れた。これまでのライブを逃したことを後悔する程まさかここまでハマるなんて思わなかった。でも多分素養はこの数年で形成されていたし、どのタイミングにしろ同じ様に思っていた気がする。
またこの2組が何処かで重なって相見えることを待ち焦がれながら、これからも動向を静かに追っていきたい。
追記。
余韻のままにMyGO!!!!!と相性の良さそう/親和性のある楽曲によるプレイリストを制作しました。そもそも自分のルーツに近いものがMyGO!!!!!の要素としても組み込まれているというのもあり、懐かしさやらなんやらの気持ちが溢れてきて作っていて楽しかった。僕自身というより近しいバンドマンの皆さんとか知人の方がウケが良さそうなプレイリストになった気がする。良ければ聴いてみて下さい。
公式のセットリスト。
Ave Mujica
1. Choir ‘S’ Choir
2. 顔
3. 黒のバースデイ
4. Symbol IV : Earth
5. Mas?uerade Rhapsody Re?uest
6. 八芒星ダンス
7. Symbol II : Air
8. DIVINE
9. ‘S/’ The Way
10. KiLLKiSS
11. Sophie
12. Symbol I : △
MyGO!!!!!
1. 回層浮
2. 無路矢
3. 端程山
4. 掌心正銘
5. 迷星叫
6. 夜隠染
7. 孤壊牢
8. 影色舞
9. 壱雫空
10. 歌いましょう鳴らしましょう
11. 砂寸奏
12. 往欄印