melancholy youth

since 2016.6

august


色々と喰らってしまったり、涙を流さずにいられなかったりしたこと。定例化した"ぼ(っち・ざ・ろっく!)"についてのアレコレのこと。



8/2
weezerの単独公演を観に行った。お台場に来るのはいつ以来なんだろう。小さい頃に親とフジテレビ内部を少しだけ見て回った記憶があるけれど。Zepp Divercity Tokyoにも初めて来た。Zeppというと高校の頃に1度だけ今は亡きZepp Sendaiにかの"閃光ライオット"の三次審査を観に行った事があったくらい (数日後に今年の閃光ライオットに結束バンド meets 青山吉能が同じステージに立つ展開は予想していなかったが)。

中学生の頃、海外のバンドを聴くきっかけになったバンドがweezerだった。段々と聴く機会は減少していったが何かしら新作が出る度に聴いていた。知ってから何度か来日公演がありつつもどの日程にも行く機会が無かった。10何年経ってしまったが漸く観に来ることが出来たのは本当に本当に嬉しかった。
開幕して1曲目の"My Name is Jonas"。この時点でもう既に感極まってしまいスーッと涙が出てきてしまった...。このセットリストを見て貰えば分かるが、ワールドツアーのコンセプト的にオールタイムベストのような選曲となっており、そこからはもうほぼ全ての楽曲を体が覚えていてシンガロングしていた。BlueやPinkertonからの初期のアルバムからの選曲が多かったのも嬉しいポイントで、"Pink Triangle"や"Across the Sea (Riversの弾き語りだったけどどうやら大阪公演ではバンド形態で演奏されていたらしい...。)"でも涙が溢れた。

Riversの日本語ユルMCが爆発しようと、"Island in the Sun"や"Pork and Beans"でBrianが変なダンスをしようと、"Only in Dreams"のバンドが入ってくるところでPatrickのドラムが間に合わなくても、僕にとってはweezerがそこで演奏してくれることに意味があったし、それを目の当たりにすることが出来たことがどんなに嬉しかったことか。僕にとってのギターヒーローはぼっち...ではなくBrian BellとRivers Cuomoだったんだというのを改めて再確認出来た。あっという間に時間は過ぎ去り、アンコール含み20数曲が一瞬で終わってしまった。満足感の高いライブだったと思う。ただ"Perfect Situation"が聴けなかったのは残念だったけど。フジロックではやってたらしいのに...。もし次の来日公演があるのであればやって欲しいところ。泣き虫なのは彼らの音楽ではなく自分自身だったな。

帰り際にえるえふるに寄ったところbreak a schoolのヒロさんが居てハングアウト。FEVERのライブを観に来ていたらしい。平日とはいえ知ってる方をお見かけ出来て嬉しかった。あと最近出されているらしい揚げ餃子が美味しかった。5月来訪時にも食べたけどお酒だけじゃなく普通にご飯と一緒に食べたくなってしまう味。

サラッとこれや"Blast Off!"等が組み込まれていたのもおおっとなった。



先日見かけたまっつぁそ氏の楽曲に続き、また別の小春六花による楽曲を見かけた。


印象的なアルペジオから始まり、ミドルテンポのゆったりとした楽曲。柔らかくもドクドクと進む中転調してほんのりと泣きのギターが響く。オルタナ/パワーポップを主軸としたギターロックサウンドのそれはすぐに自分の好きなタイプの楽曲だと感じた。
上記の記事にも記載している櫻いろり氏による所謂"ぼ喜多 (二次創作におけるぼっちと喜多ちゃんカップリングのこと。)"ソングとのことだが、様々なモチーフからの引用があるようで、個人的にもアレコレが気になっていたのであくまで予測でしかないものの一旦纏めておこうと思う。

まず大元となっているのが"フラッシュバッカー"、イントロのバンド入り以降の部分とテンポはここから引っ張って来ている。

"フラッシュバッカー"自体の元ネタでもあるART-SCHOOLの"欲望"もそれに当たるだろう。

ぼ喜多ソング、ということもあり歌詞は"星座になれたら"からのインスパイアもあるだろうか。


イントロ / アウトロのアルペジオフレーズは多分Smashing Pumpkinsの"Today"インスパイアかなと。

1コーラス終わりからの転調以降の展開はweezerライクなメロディやギターフレーズのオマージュだと感じた。具体的な曲目は思い浮かばなかったのだが、トーン的に"Say It Ain't So"あたりだろうか...。


曲タイトル・歌詞はthe pillowsの"白い夏と緑の自転車赤い髪と黒いギター"からの引用と本人の談。確かに向き合い方のような部分が近いものがあると感じた。

直接的なインスパイアかどうかは分からないが、とすれば"Thank you, my twilight"の繰り返しのフレーズも近い匂いを感じさせる。

"白い夏と青いギター"...これは喜多ちゃんのギターのこともあるだろうが、"青い"というのはBlue Albumからも取られているのでは...? 考え過ぎかもしれないがやはりweezerからの影響なんじゃないかと勘繰ってしまう。

と書いたもののタイトル普通に"青い春と西の空"だなこれ...。


とまあ好き勝手に書いてきたが本当のところは本人しか分からない。けれど紐付けすればする程自分の中で納得がいく楽曲群だと思う...。いつか本人に聞く機会があればなと思う。



8/20
この日も都内へ。本来は来日公演を観に行くだけの予定だったのだが、急遽"LIVE STAGE ぼっち・ざ・ろっく!"を観に行くことに。
普段からライブを観に行ったり過去にお笑いを劇場で観たこともあったが、自発的に舞台を観に行くという経験は無かった。正直なところアニメや漫画を原作としたドラマや2.5次元舞台というものにあまり良い印象を持ってはいなかった。だからこそ自分の好きな作品だけど、一体どうなってしまうんだろう...と不安もあったわけだが、配信を観てその印象は一瞬で塗り変わることとなる。ここネタバレ有りです。


1話冒頭のぼっち作詞作曲のバンドをやりたいという想いを募らせた楽曲を弾き語りからバンド演奏へと移り変わるその瞬間で、もうギューーーッと掴まれてしまった。
"私、ギター上手くなる"と歌い終えた後藤ひとり役の守乃まもさんが次にはDinosaur Jr.のJ Mascis、もしくはそれこそweezerのRivers Cuomoかと言わんばかりのギターを弾きまくっている...。もうここでうわ...すげぇ...と感嘆の声が漏れ出てしまった。今思い返すとその歌を(頭の中で)作り上げ弾き切るとこまで行くまでどれだけの時間を要したのか、どう努力したのかというバックボーンを想起させてしまい、この時点で1つのピークに達した瞬間じゃなかろうか...と考えさせられてしまった。

そこからは作品をなぞる様に展開していく。アニメを主軸とした舞台ということもあり、聴き馴染みのあるBGMとセリフが聴こえてくる。舞台を活かした演出、というもので"ぼっち〜ず"というぼっちのイマジナリーフレンドが縦横無尽に動きまくる。感情表現の度に出てくる彼女たちにニヤけが止まらなかった。
服を着せられている、ということではなく本当にそういうキャラクターが眼前で動き回っている、というものをまざまざと見せつけられる。勿論現実的じゃないパートもあるわけだが、そのギャップを埋める様に面白可笑しく展開させ、舞台を活かしたメタい表現やアドリブ等観ていて飽きさせない様な脚本で本当に観ていて面白かった。舞台転換を重たい制作物を除いてほとんどを演者がやっているというのもDIYな感覚がありそこも良かった。

そして、その演技だけではなく演者がその場で演奏を行うというものにとても感動した。二次元的演技自体が現実との乖離があり大変な労力を要するだろうに、当て振りではなく本当に演奏までやってのける、そしてその完成力に脱帽せざるを得なかった。どうやら楽器経験者や、元々バンド経験のある面々が集まっているとのこと。とはいえそもそもの楽曲がスタジオミュージシャン達をもってしてもとても難しいものと言わしめるものなのにここまでのクオリティを数ヶ月で完成させてしまうことに驚きを隠せなかった。

この4人だから動き出す、バンドの物語! LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」インタビュー - MASH UP! KABUKICHO
“結束バンドらしい”4人が熱くライブ!守乃まも×大竹美希×小山内花凜×大森未来衣×山崎彬が語る、LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」 - ステージナタリー 特集・インタビュー


と、関わる全ての事象に様々な感情を動かされてしまい、最後には思わず涙が溢れてしまった。既にアニメを観て知っている展開ではあったけど、同じものでも表現方法が違うとこんなに新鮮に感じる事ができ、改めて良い作品だなと感じさせられた。キャラクターに寄せまくる演者と、敢えてそこまでキャラクターキャラクター過ぎない演技をする演者の方とで、不思議な感覚も孕ませつつそういった点で新鮮さを保たせていたんだなと思えた。

...と、配信を観た時点で感動が止まらず思わず生で観たい!と観に行くことを決めたのだった。ちょうど千秋楽の日に都内に行く予定があり昼の部のみではあったもののチケットを即確保。S席ではなくA席にしてしまったのは本当に失敗だったけど。取れたのが3階席ということでどれだけ見えるのか...と思ったものの、上から見下ろせる席で全体を確認出来る様な位置で、ある意味良い席だったのかもしれない。舞台転換の様子やセリフを言っている演者以外の動きもしっかり視認出来たのも良かったと思う。
配信を観ていた時、つまり初日と日々様々な描写を変更し続けていたということもあり、セリフが変更されていたり、アドリブが増えていたりと見応えが増していた様に感じる。よりキャラクターの研究を重ねていた様に感じる大竹さんの虹夏、小山内さんのリョウが本当にそれぞれのキャラにしか見えない瞬間が多々あり、最後のセリフのタメや、動き等で更にうおお...と感嘆の声が漏れそうだった。PAさんのセクシーさ≒エロ...さとか声のトーン、きくりさんの酔いどれ具合とベースの演奏能力、そして店長の可愛さよりも凄みに寄せた空気感...等結束バンドの面々以外のキャラクターの立ち具合の目立ちもスゴかった。

カーテンコールの際の挨拶で本当にぼっちが憑依したかの様な守乃まもさんの挨拶で、こ、こいつ...ヤ、ヤベエ...と思ってしまった笑 "さっ、流石に...かっ...帰ってください..."と言って掃けていったのは流石に爆笑してしまった。そんなこと言う演者が居るか!wwwと思ってしまった。そんなスタンスも含めぼっちなんだろうな、と感じさせられてしまった。

配信で1度、観覧で1度と2回体感出来たがどちらも本当に良いものを観ることが出来たなと思えた。千秋楽の配信がまだ行われているのでそれをまた観ようと思うし、発売予定のブルーレイを予約してしまおうかと思っている。今後のアニメの展開も楽しみではあるが、舞台もこの枠組みでの新たな展開 (例えばアンコール公演や、今回描かれなかった部分以降の続編等々)があれば嬉しく思う。


1つの作品を通して、声優やラジオ、アニメのイベント、配信でのライブ、そして舞台と沢山の事象に触れる機会があった。中々新しいものに触れることや新鮮さを感じることというのが生きていると自然に減っていってしまうと思うが、それなりに歳を取っても様々なことを体感出来るというのがとても有難いことだなと思えた。


守乃まもさん、この舞台と作品が見せた幻だったんじゃないかと思ってしまう。演者のみだけが触れられる泡沫の夢のような。バイバイぼっち。



フワフワした感情を持ちながら八王子へ。本来の目的であるTheir/They're/Thereの来日公演に向かう。会場のRIPSはSnowingの来日公演以来だろうか。約4年ぶりとなる来訪だった。対バンの面々が発表になる前にチケットを確保していたのでmalegoatが出演すると予想していたのだけど、実際は前日の名古屋公演に出演していた。しかも今回のライブが無期限活動休止 (冬眠)、実質解散となる前の最後のライブだったとのこと。終わってしまってからなら何とでも言えるし、今更なのは十分承知なのだがもっと観る機会を作れれば良かったなと思ってしまう。もう厳しいのかもしれないがなるべく近い将来ライブを観にいくことが出来れば良いなと思う。

個人的にT/T/Tが初めて来日公演を行った2013年のジャパンツアーが、リアルタイムでその手のバンドやアーティストが来日すると言う情報を初めてキャッチしたものだった。当時は高校生だったこともありまだライブを観に行くというところまでは辿り付かなかった訳だが、漸くこのバンドでのライブを観る機会が作れたのは嬉しかった。IIOIでも活動するEvan Weissのライブを観るのは何だかんだ2016年の吉祥寺WARPでのProper再現ライブ以来だったと思う。

Matthewのテクニカルなフレーズからドライブするギター、1音1音をデカく打ち鳴らす新生ドラマーJared、そしてボトムを取り持ちながらコーラスを担当するEvan。その楽曲の展開の細やかさと音のデカさのバランスに圧倒されまくった。特にMatthew側の位置に居たからかギターの音圧がとてつもなく感じさせられた。当時よく聴いていた2枚のEPの楽曲は特に心が高鳴り躍った。

1曲目が"Their/They're/Therapy"だったのだが、前述のぼざろの舞台にて"ギターと孤独と蒼い惑星"の演奏を観たこともあり、街氏のツイートと、このアニメの忘備録に纏めていたアルペジオの類似フレーズの伏線を勝手に回収出来たなと感慨深くなってしまった。

それと今回の対バンにtricotが居たというのも、偶然とはいえ繋がりがある組み合わせに感じて何だかふふふとなってしまった (イッキュウ氏が"カラカラ"の作詞作曲を手掛けている)。実際はそういうわけではなくEvanのリクエストによるものだったらしいけど。


思い返すと今回"Fit Your Life Into a Grid"やってなかったな。他の日もやってなかったっぽいが。

EvanのライフプロジェクトとなるIIOIもバンド形態で来日公演を行うことも決まったようだし、これからも楽しみは尽きないだろう。観に行くとしたらまたRIPS公演だろうか。



日々何かに追われている気がしないでもないが少しずつでもしらみ潰しにやっていくほか無い。これからも良いものに触れながらやっていければ良いなと思う。